本研究の目的はCRISPR/Cas9法を用いて標的遺伝子をノックアウトしたフタホシコオロギ作成技術を確立し、学習・記憶メカニズム研究を加速させることである。Dop1ドーパミン受容体遺伝子のノックアウト個体を用いた研究により、Dop1は仲間の行動を罰と結びつける罰性の社会学習に関わることがわかった。一方、OA1オクトパミン受容体のノックアウト個体作成を試みたが十分な成果は得られなかった。また遺伝子ノックアウト実験の前段階としてRMAiによってAC1、AC8アデニル酸シクラーゼ、FoxP転写抑制因子の遺伝子発現をノックダウンする実験を行い、これらの分子の学習・記憶への関与について新規知見を得た。
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