生物時計には細胞核における遺伝子の転写を介さずに自律振動する機構が備わっている。本研究では、その機構の研究に有用であると期待されるカサノリ(Acetabularia ryukyuensis)において、ルシフェラーゼレポーターを用いた概日リズムの測定系の確立を試みた。ルシフェラーゼレポーターの確立にはいくつかの問題があったが、クロロフィル遅延蛍光の測定系によって、目的の自律振動を観察することに成功した。さらに、リン酸化がその機構に関わっていることを示唆する結果を得た。この測定系および知見は、転写を介さない生物時計の自律振動機構の解明に有用である。
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