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2017 年度 実施状況報告書

オウム類の前後にずれた嘴はいかにして作られるか?脊椎動物の顔面形態進化機構に迫る

研究課題

研究課題/領域番号 16K14789
研究機関東邦大学

研究代表者

土岐田 昌和  東邦大学, 理学部, 講師 (80422921)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード脊椎動物 / オウム類 / 嘴 / 形態 / 発生 / 比較 / 進化 / 小顎症
研究実績の概要

本研究は鳥類の中でも極めてユニークな“前後にずれた”嘴を持つオウム目に着目し、進化発生学的解析により、その特異な顔面形態を作り出す分子基盤の特定を目指すものであるが、研究二年目に当たる平成29年度はオカメインコ(オウム目)、ウズラ(キジ目)、アヒル(カモ目)の胚(いずれも胚発生ステージ26)の上下それぞれの嘴源基で発現する全ての遺伝子をハイスループットDNAシーケンサを用いたRNA-seqにより網羅的に特定し、その発現プロファイルを種間で比較することで、オカメインコの上下嘴間でのみ発現レベルに顕著に差がある遺伝子(DEG)を特定するという当初の計画に則り、研究を進めた。ウズラとアヒルについては、ゲノム情報がすでに公開されているためそれらをリファレンスとして、塩基配列のマッピングを行った。その結果、ウズラで約80%、アヒルで約70%の配列をマッピングすることができた。一方で、オカメインコについてはゲノム情報が公開されていないため、同じオウム目の種であるセキセイインコのゲノム情報をリファレンスに用いて、配列のマッピングを行った。その結果、20%程度の低い確率でしか配列をマッピングすることができなかった。ウズラとアヒルの2種については、Stringtieを利用することで、DEGの検出を行うことできた。オカメインコについては、リファレンスゲノムへの配列のマッピングがうまくいかなかったことから、現在RNAアセンブリによる転写物配列の一覧表の作成を進めている。一覧表が完成しだい、これをリファレンスに用いることで、オカメインコの上下の嘴原基の間でのDEGを検出する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

オカメインコ胚の上下それぞれの嘴原基で発現する一連の遺伝子(mRNA)を特定するに当たり、すでに公開されているセキセイインコのゲノムを配列マッピング用のリファレンスに用いることとした。両種はともにオウム目の種であるため、当初、塩基配列のマッピングは高精度で行うことが可能であると予測したが、実際には20%超の配列がマッピングされるに過ぎなかった。そのため、第二の手段として、RNAアセンブリにより転写物配列の一覧表を作成する必要性が生じ、これが研究の進捗に遅れを生じさせた大きな要因となった。

今後の研究の推進方策

RNA-seqによる比較トランスクリプトーム解析に当初の予想より時間を要しているが、数ヶ月内にオカメインコ胚の上下の嘴原基の間での発現レベルが大きく異なる複数の遺伝子が特定される見込みである。今後は特定された遺伝子の機能を実験的に解析するために、その実験の準備を進める予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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