四肢動物の生存に不可欠な骨細胞であるが、驚くことに多くの魚類は骨細胞を持っていない。魚類における骨細胞の獲得・喪失プロセスを探ることで、免疫や代謝にまでおよぶ骨細胞の新しい機能や役割が明らかになると期待できる。 500種を超える魚類の骨細胞の保有パタンを解析したところ、祖先形質は骨細胞を持っているタイプであり、多くの系統で二次的に骨細胞を失っていた。海水への依存度が高いほど骨細胞を失っている傾向があった。ただし、この傾向は弱く、生息場所、生態などで上手く説明できる要因は特定できなかった。今後、両生類、爬虫類、鳥類などの骨細胞を調べることで、骨細胞の意義や機能がより明確になると考えられる。
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