研究課題
挑戦的萌芽研究
環境に応じてどのように生物のコミュニケーションが変遷していくのかについて、遺伝子レベルまで行う研究はほとんどなかった。本研究では、淡水域、沿岸域、外洋域という異なる水圏環境から単離された緑膿菌の単離株を用いて、微生物間コミュニケーションシステムを比較することにした。その結果、環境ごとに微生物間コミュニケーション能力が異なることが明らかとなった。また、挿入配列によって微生物間コミュニケーションの相変異がおきることを明らかにした。
微生物学
微生物間コミュニケーション研究のほとんどが病原性に関連したものであり,生態学的な研究は少ない。特に,系統地理学的な研究は皆無である。また、従来のコミュニケーション研究はいわゆる高等な生物を対象に行われるものがほとんどであり、,遺伝子レベルでの系統学的解析は困難であった。単純な細菌のコミュニケーションだからこそ,コミュニケーションと環境・生態の関係に遺伝子レベルで迫ることができた。