ヨウジウオ科魚類イシヨウジでは、日の出直後の数分間だけペアの近接性が認められ、挨拶行動と呼ばれるペア内行動を通じてペアボンドが維持される。本研究では、ペアボンド維持における挨拶行動と内分泌動態の関係性を検証するため、挨拶行動後の経過時間に応じて脳と血漿を採取し、脳全体をライブラリとする遺伝子発現解析と血漿のホルモン定量分析を行なった。RNA-Seqにより1個体当たり平均5500万リードが得られ、発現量解析を進めている。血漿中のコルチゾールと11-ケトテストステロンの濃度は、挨拶行動直後に最も高くなり、その後緩やかに低下した。また、挨拶行動阻害の24時間後にコルチゾール濃度の上昇が認められた。
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