陸貝に外来捕食者が及ぼす影響を調べ、ニューギニアヤリガタリクウズムシの捕食により、父島では在来陸貝のうち中大型種ではほぼ野外絶滅状態である一方、微小種はその影響が比較的軽く、島内に広く生息することがわかった。また外来陸貝ではウスカワマイマイやミヤコマイマイは、ウズムシの影響による減少傾向は認められず、むしろ分布を広げていた。ウズムシは在来陸貝の粘液に含まれるタンパク質に誘引されているものと考えられた一方、ウスカワマイマイでは行動の活性の高さと粘液が攻撃に対する忌避効果を持つことが示唆された。本土でのウズムシへの適応による活動性の高さと粘液量が、ウズムシの攻撃を緩和していることがわかった。
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