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2016 年度 実施状況報告書

採食行動の進化における腸内細菌の役割

研究課題

研究課題/領域番号 16K14821
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

岩瀬 忠行  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80385294)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード窒素固定細菌 / 青酸分解 / 細菌学 / 人類学 / 栄養学
研究実績の概要

窒素固定酵素は窒素分子の三重結合を開裂する作用を有するが、青酸(シアン化水素)に含まれる炭素窒素間の三重結合も開裂することが知られている。窒素固定酵素は窒素固定細菌によって生産されるため、窒素固定細菌も青酸を分解することが可能であると考えられる。
そこで、当教室に保管されている窒素固定細菌が青酸を分解することができるかどうかを検討するため、第一に青酸分解を簡便に判別することが可能な青酸分解判定培地を作製した。本培地は、青酸を勇逸の窒素源とし、またその他に糖、ミネラル、ビタミンを含有し、かつ培地のpHを示すpH指示薬ニュートラルレッドを含む。青酸分解をpH指示薬の変化をもって簡便に知ることができる。その変化は以下の通りである。培養初期において、細菌は培地中の糖を資化することによって培地のpHを下げる。それゆえ、pH指示薬ニュートラルレッドは黄色を呈する。その後、青酸分解を窒素源として利用可能な状態では窒素代謝の結果培地のpHはアルカリ側に傾くため、pH指示薬は赤からオレンジを呈する。
同時に、窒素固定遺伝子を欠損させた変異株を作製し、野生株と変異株を上記培地に供試し、培地のpH指示薬の変化を観察した。その結果、野生株では最終的に培地はオレンジ色を呈したが、変異株では黄色のままであった。呈色変化の強い株を選択し、以降の実験に用いることとした。
また、窒素固定酵素は数多くの構成遺伝子や制御遺伝子の働きの結果生産され、これらの遺伝子はひとまとまりとなってゲノムに存在する。本窒素固定細菌において、正の制御遺伝子を欠損させた場合、上記の呈色変化は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記されるように、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

得られた菌株を動物実験に供試可能かどうかの予備的検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

いくつかの試薬を年度末以降に購入したため。

次年度使用額の使用計画

次年度使用額が生じたが、その額は次年度に請求される助成金の10余%程であり、次年度の計画に大きな変更をもたらすことはない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] Complete Genome Sequence of Klebsiella oxytoca Strain JKo3.2016

    • 著者名/発表者名
      Iwase T, Ogura Y, Hayashi T, Mizunoe Y.
    • 雑誌名

      Genome Announc.

      巻: 4(6) ページ: -

    • DOI

      10.1128/genomeA.01221-16

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Complete Genome Sequence of Klebsiella pneumoniae YH43.2016

    • 著者名/発表者名
      Iwase T, Ogura Y, Hayashi T, Mizunoe Y.
    • 雑誌名

      Genome Announc.

      巻: 4(2) ページ: -

    • DOI

      10.1128/genomeA.00242-16.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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