研究課題/領域番号 |
16K14826
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐々 英徳 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (50295507)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 自家不和合性 / 雌ずい / ナス科 / ペチュニア |
研究実績の概要 |
配偶体型自家不和合性はナス科,バラ科などでは雌ずい側S因子S-RNaseと花粉側S因子SLF/SFBが関わることが明らかになってきた。しかし,S遺伝子座以外の「自他認識には直接関与しないが自家不和合性には必要な因子」,いわゆる非S因子についてはその存在は予想されているものの,自家不和合性機構にはいくつの非S因子が必要で,それらがどのように機能しているかについてはほとんど判っておらず,分子機構の全容の理解には程遠いのが現状である。本研究では,ナス科・ペチュニアで申請者が最近見出した新規の自家不和合性非S因子候補(未発表)の機能解析と,さらなる非S因子の探索・機能解析を通じ,配偶体型自家不和合性機構の全容の解明と,その育種的利用への道を開くことを目的とする。 本年度は、新規非S因子候補のゲノム編集による機能解析のため、CRISPR/Cas9ベクターの構築を行った。二種類のsgRNAのベクターを構築してアグロバクテリウムに導入し、一過的発現によりゲノム編集が起こるかどうかを解析した。その結果、標的領域でのゲノム編集が起こることが確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は自家不和合性非S因子候補を標的としたゲノム編集のためのベクターを構築し、ペチュニアの葉における一過的発現系により、ゲノム編集が実際に起こるかどうかを解析した。その結果、これまでゲノム編集の報告のないペチュニアにおいてゲノム編集が可能であることが確認することができ、ペチュニアにおける遺伝子機能解析に有用であることが示された。
|
今後の研究の推進方策 |
一過的発現により、目的遺伝子のゲノム編集を行えることが確認できたので、今後は実際にゲノム編集の沖田植物体を得るための研究を推進する。ゲノム編集個体が得られれば、自家不和合性表現型の解析を行うとともに、分離によりマーカー遺伝子を持たない遺伝子破壊系統を取得し、各種実験に使用できるようにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
一過的発現により、ゲノム編集の確認をした段階であり、多数の形質転換体を作出し、解析する段階ではなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
多数の形質転換体を作出し、ゲノム編集の有無を解析するために用いる。
|