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2016 年度 実施状況報告書

世界の10億人を養う熱帯作物キャッサバにおけるゲノム編集基盤技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K14832
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

関 原明  国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (80281624)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードキャッサバ / CRISPR/Cas9 / ゲノム編集 / 澱粉枝作り酵素
研究実績の概要

キャッサバは世界の10億人(特にアフリカ、東南アジア、ラテンアメリカなどの熱帯地域)の、食糧安全保障上そして貧農の生活改善上重要な役割を果たしている熱帯のデンプン資源作物である。本研究では、CRISPR/Cas9システム(DNA二本鎖を切断してゲノム配列の任意の場所を削除、置換、挿入することができる画期的な新しい遺伝子改変技術)をキャッサバに導入し、キャッサバにおける植物ゲノム編集システムの基盤確立を目指す。澱粉枝作り酵素遺伝子に対象を絞って本研究を実施する。
2016年度は、guide RNAをカリフラワーモザイクウイルス由来35Sプロモーター(CaMV35Sプロモーター)で発現させる融合遺伝子断片と、Cas9ヌクレアーゼ遺伝子をパセリのユビキチン遺伝子プロモーターまたはCaMV35Sプロモーターで発現させる融合遺伝子断片を一つのバイナリーベクターへ組み込んだ。澱粉枝作り酵素遺伝子の標的配列を二種類選択し、合計4種類のバイナリーベクターを作成して、キャッサバカルスへ形質転換を行った。キャッサバ由来Pol IIIとPol IIプロモーターの単離を引き続き試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、guide RNAをカリフラワーモザイクウイルス由来35Sプロモーター(CaMV35Sプロモーター)で発現させる融合遺伝子断片と、Cas9ヌクレアーゼ遺伝子をパセリのユビキチン遺伝子プロモーターまたはCaMV35Sプロモーターで発現させる融合遺伝子断片を一つのバイナリーベクターへ組み込んだものを作成し、キャッサバへの遺伝子導入・形質転換系統の選抜が進められているため。

今後の研究の推進方策

今後は、得られたトランスジェニックキャッサバ植物(約100ライン)からゲノムDNAを抽出し、PCRを行い、澱粉枝作り酵素遺伝子上のゲノム配列が改変されたか確認する。澱粉枝作り酵素遺伝子上の ゲノム配列が改変された系統において、澱粉枝作り酵素の酵素活性測定や代謝産物(デンプン)の解析を行う。 上記解析を通してどのベクターを用いて形質転換をするのがキャッサバにおいて有効であるか評価する。 標的変異導入の充分な成功例が得られた場合、デンプン代謝に関する他の標的遺伝子をターゲットとするベクターを構築しトランスジェニックキャッサバ植物の作出を試み、開発したシステムの再現性を確認する。

次年度使用額が生じた理由

ベクター構築が当初の予定より順調に進んだため。

次年度使用額の使用計画

得られたトランスジェニックキャッサバ植物(約100ライン)からゲノムDNAを抽出し、PCRを行い、澱粉枝作り酵素遺伝子上のゲノム配列が改変されたか確認する。澱粉枝作り酵素遺伝子上の ゲノム配列が改変された系統において、澱粉枝作り酵素の酵素活性測定や代謝産物(デンプン)の解析を行う。 上記解析を通してどのベクターを用いて形質転換をするのがキャッサバにおいて有効であるか評価する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The histone deacetylase inhibitor suberoylanilide hydroxamic acid alleviates salinity stress in cassava.2017

    • 著者名/発表者名
      Patanun, O., Ueda, M., Itouga, M., Kato, Y., Utsumi, Y., Matsui, A., Tanaka, M., Utsumi, C., Sakakibara, H., Yoshida, M., Narangajavana, J., and Seki, M.
    • 雑誌名

      Frontiers in Plant Science

      巻: 7 ページ: 2039

    • DOI

      10.3389/fpls.2016.02039.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] キャッサバ(Manihoto esculenta)の澱粉枝作り酵素(Starch Branching Enzyme, SBE)の機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      内海好規,内海稚佳子, 田中真帆, 藤田直子, 中村保典, 関原明
    • 学会等名
      日本応用糖質科学会平成28年度大会(第65回)
    • 発表場所
      福山大学、福山、日本
    • 年月日
      2016-09-14 – 2016-09-14
  • [学会発表] 東南アジア諸国との連携による澱粉作物キャッサバの分子育種2016

    • 著者名/発表者名
      内海好規,内海稚佳子, 武井良郎, 平野智也, 阿部知子, 石谷学, 櫻井哲也, Dong Van Nguyen, Vu Anh Nguyen, Kanokporn Triwitayakorn, Jarunya Narangajavana, Ham Huy Le, 関原明
    • 学会等名
      第5回応用糖質フレッシュシンポジウム
    • 発表場所
      エフピコRiM7 階ものづくり交流館、福山、日本
    • 年月日
      2016-09-13 – 2016-09-13
    • 招待講演
  • [備考] 理化学研究所環境資源科学研究センター植物ゲノム発現研究チームホームページ

    • URL

      http://www.csrs.riken.jp/jp/labs/pgnrt/index.html

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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