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2018 年度 実績報告書

次世代シーケンサーを用いたオオムギ耐塩性遺伝子の短期間の同定と作用機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K14834
研究機関東京農工大学

研究代表者

平沢 正  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 名誉教授 (30015119)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードオオムギ / 塩ストレス / 不稔 / 花粉 / ジャスモン酸 / JAZタンパク質 / 遺伝子発現
研究実績の概要

塩ストレス条件下で稔実歩合を高める遺伝子の単離に向けた大規模選抜を行い、併せて昨年度見出した候補遺伝子(TIFYタンパク質をコードする遺伝子AK357304とF-boxタンパク質をコードする遺伝子MLOC_12120)の塩基配列と遺伝子発現の解析を行い、不稔発生に関わる生理的機構と候補遺伝子の関わりを検討した。
1.品種OUE812とOUC613由来のRIL遺伝解析集団から得たBC1F4集団を網羅的SNPタイピングアレイ解析して大規模分離集団を育成した。本集団を用いて検討した結果、塩ストレス条件下で稔実歩合を高く維持するQTL領域が、RIL遺伝子解析集団を用いた連鎖解析によって推定した領域と重なっていることが分かった。
2.AK357304のコード領域内には両品種間にSNPが4ヶ所あり、1ヶ所にアミノ酸置換が生じていた。AK357304の遺伝子発現量は、幼穂の発育に伴って減少し、発現量に品種間差がみられなかった。MLOC_12120のコード領域には両品種間にSNPは検出されず、両品種ともアミノ酸配列にTIFYモチーフとJasモチーフを含むことから、本遺伝子はJasmonate ZIM-domain(JAZ)タンパク質をコードする遺伝子であることが明らかとなった。開花直前の葯、雌蕊における本遺伝子の発現量は、両品種とも他の時期の幼穂に比べて高くなり、さらにOUC613はOUE812よりも有意に高かった。
3.JAZタンパク質は、雄蕊の発達に必須で、葯の裂開や花粉発芽能力に関与する植物ホルモンであるジャスモン酸のシグナル伝達を負に制御する役割をもつことが明らかにされている。このこととこれまでの本研究の結果とを併せ考えると、JAZタンパク質をコードするMLOC_12120が塩ストレス下でオオムギの花粉稔性低下の品種間差に関わっている可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] QTLs maintaining grain fertility under salt stress detected by exome QTL-seq and interval mapping in barley2018

    • 著者名/発表者名
      Kodama Asuka、Narita Ryouhei、Yamaguchi Makoto、Hisano Hiroshi、Adachi Shunsuke、Takagi Hiroki、Ookawa Taiichiro、Sato Kazuhiro、Hirasawa Tadashi
    • 雑誌名

      Breeding Science

      巻: 68 ページ: 561~570

    • DOI

      10.1270/jsbbs.18082

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 塩ストレス下でのオオムギの花粉稔性低下に関わる遺伝子の探索2019

    • 著者名/発表者名
      児玉明日香・成田亮平・山口真功・久野裕・安達俊輔・高木宏樹・平沢正・佐藤和広・大川 泰一郎
    • 学会等名
      日本育種学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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