| 研究課題/領域番号 |
16K14837
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| 研究機関 | 島根大学 |
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研究代表者 |
小林 和広 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (90234814)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 非生物的ストレス / 開花 / 気象災害 / 栽培現場 / 食用作物 / 紫外線 / 花粉 / 葯 |
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| 研究実績の概要 |
発展途上国において頻発する気象災害による作物の花への障害を常時観察可能であり，しかも現地農家でも利用できる安価な撮影システムの開発を目指した．今年度は，花の移動を追跡する追尾装置システム，紫外線照射による花の観察，工業用（汎用）のファイバースコープによる花器内部の観察，汎用のハイスピードカメラによるイネの花粉散布の観察などを行った．
開花前後の花の移動を追跡しながら撮影するシステムとして，当初はカメラ自体を追尾させる装置を念頭に置いていたが，複数のカメラを設置して三次元として，移動する花を撮影する方がうまくいきそうであると判断し，三次元の画像構築によって開花を汎用のデジカメ数台で追跡するシステムを構築することにした．今のところ，三次元の画像を構築することはできるが，花器内の葯，柱頭まで観察するには不十分で，今後，設置するカメラの方向，台数を改良する必要がある．
紫外線を照射できる汎用のブラックライトおよび紫外線のみを透過するガラスフィルターを利用して，開花したコスモス（イネなどの作物に比べて，花器内の観察が簡単なため，モデル植物として採用した）などの葯や花弁の撮影を行った．花弁は紫外線撮影で特徴的な画像を得られたものの，葯，花粉が紫外線で観察できるには至らなかった．照射紫外線強度と使用したデジカメの紫外線感度を改善する必要がある．
工業用（汎用）のファイバースコープによる花器内部の観察では，安価なファイバースコープの太さではそのままファイバースコープを近づけても，イネのような小さい花の観察はまだ困難であることがわかった．ファイバースコープにスマホ用のマクロレンズなどをかぶせることによって撮影できるかどうかも試した．さらなる工夫次第で鮮明な画像を得ることができる可能性もみられた．汎用のハイスピードでのイネの花粉散布の撮影も行った．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
移動する花を追跡するシステムとして，当初予定した追尾装置から三次元画像によるものに変えたことで，当初よりも実験システムの完成が遅れることになったことからである．花器内の葯，柱頭まで観察するには不十分で，今後，設置するカメラの方向，台数を改良する必要があるので，完成に至っていないことからやや遅れていると判断した．
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は移動する花を三次元の画像として捉えて，その開花，および開花中の葯，花粉，雌蕊の発達などを解析できるシステムを構築する．その上で，実際に開花期ストレスをイネ，アズキなどの作物に与え，開花運動などに起こる影響を本システムで捉えることができるかを検証する．紫外線照射による撮影では，紫外線の量，方向などをさらに改善した上で，実際に開花期ストレスをイネ，アズキなどの作物に与え，ストレスによる花器への障害を検出できるかを検証する．ファイバースコープと紫外線照射の組み合わせなどによって，可視光以外の光で観察し，ファイバースコープによる花の撮影で得られる情報を拡大できないかを検証する．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
購入計画はほぼ順調に実施し，ほぼ予算を全額使用できたが，紫外線フィルターなどの購入が予想していたよりも少なくなったために少しだけ予算が残り，次年度使用が生じた．
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| 次年度使用額の使用計画 |
次年度にも紫外線フィルターなどの消耗品を購入する予定であり，またこれらの消耗品が破損した場合の補充もするので，ほぼ予定通り予算を使用できる予定である．
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