わが国の水田転換畑におけるダイズの栽培では、障害が発生し生産が不安定となるので、湿害を回避する技術が必要である。そこで、出芽期のダイズの冠水抵抗性におけるナノ粒子の関与をプロテオミクス技術により解析する。ダイズの出芽期における冠水ストレスによる生育遅延は、ナノ亜鉛やナノ銀と比較して、ナノアルミナにより軽減される。ナノアルミナによるストレス軽減効果には、エネルギー代謝系や細胞死の抑制が関与していることが明らかになった。さらにミトコンドリアプロテオミクスを行うことにより、冠水下のダイズのストレス軽減に、エネルギー制御や膜透過性が関与していることも示唆された。
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