さび病菌の多くは絶対寄生菌であり、試験管内培養は殆ど不可能であるため、分子遺伝学的なアプローチが困難で、植物病原体としての重要性に比して、遺伝子レベルでの研究は進んでいない。一方、多くのさび病菌は古くからさく葉標本として保存されており、それらから遺伝情報を抽出し、解析することが出来れば有用な多くの知見が得られることが期待できる。本研究では比較的菌体を得やすく、経年標本が揃っているStereostratum corticioides(メダケ赤衣病菌)を用いて、DNAおよびRNA試料の抽出を試み、条件検討を詳細に行い、次世代シーケンサーを用いた大量解析に適した長鎖DNAの調製方法の検討を行った。
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