• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

NOを介した新規な過敏感細胞死誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K14860
研究機関名古屋大学

研究代表者

川北 一人  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90186065)

研究分担者 佐藤 育男  名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (70743102)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード一酸化窒素 / ニトロソ化 / ジャガイモ / ベンサミアナタバコ / 感染防御応答 / 過敏感細胞死
研究実績の概要

これまでに植物の病原菌感染防御応答時に生成するNOが関与する生体物質修飾機構として、タンパク質のニトロソ化が解析されてきた。本研究では感染防御応答時の植物体中の核酸のニトロ化について検討する。本年度は、NO生成の検出や標的分子の抽出に適した材料の選定を試みた。植物の感染防御応答の系として、既に当研究室で確立したジャガイモ塊茎組織および懸濁培養細胞の系と、一部解析のモデル系としてベンサミアナタバコ植物を用い、それぞれに各種エリシター処理を行い、核酸のニトロ化の指標となる8-ニトログアニンの定量を試みた。
ジャガイモ塊茎組織には品種さやかを用いて塊茎ディスクを作成した。懸濁培養細胞には同品種の塊茎由来の培養細胞を用いた。これらジャガイモ由来試料には水または疫病菌由来の細胞壁成分エリシター(HWC)を処理した。ベンサミアナタバコには本葉6葉期の第4本葉に水またはINF1エリシターを接種した。上記植物体を摩砕し、遠心分離した上清を測定試料とした。ジャガイモ塊茎組織およびベンサミアナタバコ葉試料において、エリシター処理区で水処理区に比べ8-ニトログアニンの含量が増加した。以上から、ジャガイモおよびベンサミアナタバコを用いた感染防御応答時の核酸のニトロ化の検出が可能であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

安定した応答性を持つ材料を常時確保するため、ジャガイモ懸濁培養細胞を用いた8-ニトログアニンの定量を試みたが、水処理区とエリシター処理区試料でのその含量に明確な差が認められなかった。エリシター処理条件などを検討中である。

今後の研究の推進方策

ジャガイモ懸濁培養細胞のエリシター処理条件を詳細に検討する。また、タバコ懸濁培養細胞を用いたエリシター処理を行う。これら懸濁培養細胞を用いてNO蛍光プローブ (DAF2-DA) やONOO- 特異的蛍光プローブによりNOやONOO- の生成を共焦点レーザー顕微鏡下で検出し、細胞レベルでのNOやONOO- 生成部位、特に核への局在を検出する。8-ニトログアニンおよび他のニトロ化分子を植物体あるいは懸濁培養細胞に処理し、経時的に試料を調製して植物体の抵抗反応への影響を調べる。

次年度使用額が生じた理由

支出額に端数が生じたため

次年度使用額の使用計画

ラジカル分子検出試薬等の消耗品および学会発表の出張費を計上しており、申請通りの使用額となる見込みである。

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi