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2018 年度 実績報告書

植物病原細菌多剤排出ポンプの病原力としての役割

研究課題

研究課題/領域番号 16K14861
研究機関岡山大学

研究代表者

一瀬 勇規  岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (50213004)

研究分担者 松井 英譲  岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (20598833)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード多剤排出ポンプ / 菌体密度感知機構 / MexAB-OprM / MexEF-OprN / べん毛運動能 / タイプIV線毛
研究実績の概要

Pseudomonas syringae pv. tabaci (Pta) 6605の2つの主要な多剤排出ポンプMexAB-OprM, MexEF-OprNの病原力における役割を解析するため、mexB変異株とmexF変異株の病原力を精査した。今年は、mexB変異株、mexF変異株とそのダブル変異株を用いて植物由来抗菌性物質に対する感受性を生育阻止斑の形成試験で比較解析した。終夜培養した各菌株を軟寒天培地と混合プレーティングした後,各種化合物を浸み込ませたペーパーディスクを置床した。0.9 M t-桂皮酸,0.5 M p-クマル酸,1 M アセトシリンゴン,1 Mスコポレチン,1 Mクロロゲン酸,0.3 Mフロレチン,1 Mナリンゲニン,200 mg/ml (+)-カテキンは顕著な生育阻止斑を形成しなかったが, 2 M アセトバニロン,1 M カテコールの場合阻止斑は,WTよりmexB変異株, mexF変異株で大きく,mexBmexF2重変異株ではそれと同等以上であった。1 M クマリンの場合,mexB変異株の阻止斑はWTより若干大きく,mexBmexF2重変異株でより大きくなった。これらの結果は,MexAB-OprMとMexEF-OprNがアセトバニロン,カテコールを排出していること, MexAB-OprMはクマリンも排出していることを示唆している。一方,これら変異株の病原力については,Ishiga et al. (2017)の方法をタバコに応用したFlood Assayによって,再現性の高い実験結果を得ることができた。その結果,mexB変異株, mexF変異株は、接種後の病徴の進展,菌体増殖が野生株と比べ有意に低下することが確認された。以上の結果は,MexAB-OprMとMexEF-OprNはPta6605の病原力発現において重要な役割を担っていることを示している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Pseudomonas syringae pv. tabaci のRNDタイプ多剤排出トランスポーターの病原力における機能解析2019

    • 著者名/発表者名
      西村隆史・一瀬勇規・原田みのり・松井英譲・山本幹博・能年義輝・豊田和弘
    • 学会等名
      平成31年度日本植物病理学会大会
  • [図書] 植物たちの戦争2019

    • 著者名/発表者名
      日本植物病理学会(共著)
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      講談社
    • ISBN
      978-4-06-515216-4

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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