自然界では,病原体が一個体の植物に単独感染より混合感染がしていることが多い。ウイルスの混合感染では一般的に,異種ウイルスとの混合感染により強い症状を示し,同種ウイルスの異なる系統の混合感染により干渉作用が関与して弱い症状を示す。これらの現象に着目し,病原体間の「共進化」現象を調査することを目的とした。異種ウイルスが混合感染したアブラナ科やユリ科植物を全国から採集後,それらウイルスゲノムを解析し,ゲノムインフォマティクスを用いて解析した。その結果,混合感染したウイルスのゲノムに見られる変異が共進化に関与すること,それらのウイルスが日本の各地域に共進化しながら拡散したことが明らかとなった。
|