研究課題/領域番号 |
16K14868
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
霜田 政美 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, ユニット長 (80344000)
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研究分担者 |
村路 雅彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (20355746)
上原 拓也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (80756023)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 光防除 / LED / 天敵 / 無農薬栽培 / 減農薬栽培 / ヒメハナカメムシ / アザミウマ / ナス |
研究実績の概要 |
本研究課題では、天敵温存植物と天敵を誘引する発光ダイオード(LED)を併用して、野菜の露地栽培におけるIBM農業の実践と評価を試みる。茨城県の慣行栽培の条件に則り、殺虫剤の使用をせずに露地ナスを栽培して、栽培作物の周辺に天敵温存植物を混植した上で、天敵誘引LEDを設置して、天敵昆虫の選択的・優先的な定着を促す。栽培期間を通じて、圃場内に生息する昆虫種を網羅的にサンプリングし、DNA塩基配列を用いた種同定と被捕食者の解析を行い、IBM農業生態系における種の多様性と種間相互作用を解明する。これらのデータをもとにLED照射が、圃場生物群集の多様性と安定性におよぼす効果を定量化し、それらの指標となりうる分類群や種の同定を試みた。本年度、当初の計画どおり5月に露地ナスを定植して無農薬栽培試験を開始したが、6月まで降雨がごくわずかで、7月もひどいカラ梅雨の年となった。栽培圃場には十分な散水設備がないため、手作業で水を与えたが、焼け石に水で夏場より作物が生育不良に陥ってしまった。圃場内に定植したソバやマリーゴールドなど天敵温存植物も同様の状況で育ちが悪かった。6月末から調査を開始したが、天敵や害虫があまり発生せず、十分に信頼できるデータが得られたかどうか確信がもてない結果となった。このため、平成30年度末に、科研費補助事業期間延長承認申請書を日本学術振興会に提出し、平成30年度に追加試験を実施することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度の計画どおり5月に露地ナスを定植して無農薬栽培試験を開始したが、6月まで降雨がごくわずかで、7月もひどいカラ梅雨の年となった。栽培圃場には十分な散水設備がないため、手作業で水を与えたが、焼け石に水で夏場より作物が生育不良に陥ってしまった。圃場内に定植したソバやマリーゴールドなど天敵温存植物も同様の状況で育ちが悪かった。6月末から調査を開始したが、天敵や害虫があまり発生していない状況である。得られたサンプルについて、DNA塩基配列を用いた種同定と被捕食者の解析を進めているが、十分に信頼できるデータが得られたかどうか確認を急いでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の栽培試験に関してIBM農業の評価に用いられるかどうか確信がもてないため、平成30年度末に、科研費補助事業期間延長承認申請書を日本学術振興会に提出し、平成30年度に追加試験を実施することにした。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 計画では平成29年度にIBM露地栽培を実施し、天敵温存植物を植えて天敵誘引LEDの農業生態系への影響を調査する予定だった。しかし6月から8月にかけての降雨不足で作物が著しい生育不良に陥ってしまった。6月末から調査を開始したが、天敵や害虫があまり発生しない状況だったため、得られたサンプルが農業生態系の評価に耐えうる確実なデータが取得できないと判断し、平成30年度末に、科研費補助事業期間延長承認申請書を日本学術振興会に提出し、平成30年度に追加試験を実施することにした。 (使用計画)当初の29年度計画に則り、5月に露地ナスを定植して無農薬栽培試験を開始する予定である。降雨不足の対策としては、手作業の散水では焼け石に水のため、タンクで水を運び、散水することを考えている。天候不順に対する対応や調査方法も含めて再検討を行っているところである。また、露地栽培だけでなく、ハウス栽培を併用するなどして、悪天候があっても栽培作物と温存植物を育成できる環境を整えるかについても、その可否について検討中である。
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