地球温暖化によりツンドラが広く分布する連続永久凍土帯の一部が融解し埋蔵メタンの放出が懸念されるがその動態は未だ不十分である。本研究ではアラスカ内陸部のクロトウヒ林で採取した凍結土壌コアを3層に分け、各層土壌を0 から10 ℃ まで1 週間毎に変化させメタン放出速度を測定し、0 ℃ で培養した下層土壌で最大、表層および中間層でもメタン放出が観察された。5 および10 ℃ では下層のメタン放出が減少し、表層および中間層はメタン吸収を示した。嫌気的メタン生成酸化阻害剤を添加すると吸収と放出が減少した。細菌および古細菌群集のゲノム情報は土壌の深さとともに変化したが、融解に対しては変化しなかった。
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