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2017 年度 実施状況報告書

新たな微生物生育因子、コプロポルフィリン-亜鉛錯体の機能と生理作用

研究課題

研究課題/領域番号 16K14876
研究機関北海道大学

研究代表者

重冨 顕吾  北海道大学, 農学研究院, 講師 (20547202)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードGrowth factor / Heme / Leukobacter / Sphingopyxis
研究実績の概要

平成28年度の研究において、生育因子の受け手であるLeukobacter sp.ASN212株のゲノム上に、いくつかのヘム生合成関連遺伝子に欠失が見られた。このことから、これらが遺伝的にだけではなく、機能的にも存在しないのかについて立証を平成29年度の目的とした。推定された欠失遺伝子がhem B, hem C, hem D, hem Eであったことから、検討に先んじて、これらの生成物について標品の酵素的調製を試みた。目的タンパクの内、hem B, D, E遺伝子のプラスミドを含む大腸菌株については国立遺伝学研究所から入手した(ASKAクローンJW03361, 3961, 3776-AM)。hem Cについては既知の大腸菌hem C配列を元に人工DNAをデザインし、作製した。作製した配列をpGEX-6P-3上のコンストラクトとしてBL21株に形質転換した。それぞれを常法の液体培養に供した後、IPTG添加による発現誘導を行い、次いで目的タンパク質をアフィニティークロマトグラフィーによって単一バンドとして精製した。調製したhem B溶液と基質である5-アミノレブリン酸を混合し、ポルフォビリノーゲンを生成物として得ることに成功した。生成はHPLCならびにLC-MSによって確認した。続いてhem Bとhem C酵素液を用いたタンデム反応系を検討したところ、390 nmに極大吸収を示す赤褐色の反応液が得られた。hemC非共存下では着色が見られないことから、目的とするヒドロキシメチルビランの生成が推測されたが、タンパクとの凝集・不溶化が生じたことから、現在適切な可溶化条件を探索中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

生育因子zincphyrinの作用機構解明として当該実験を実施しているが、概要に記述した通り試料の可溶化・回収について条件検討が必要となったため。

今後の研究の推進方策

引き続き各酵素の生成物について酵素的合成を行い、それぞれLC-MS上における標品とする。然る後にASN212株のライセートを用い、ヘム生合成上のアレストポイントを探索する。さらに得られた結果から、欠失酵素の外部投与によってcoproporphyrin生合成について検証する。
また、zincphyrinの生育因子としての普遍性を検証するため、刺激を受ける細菌株の探索を遺伝子解析や菌株単離を行う。

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公開日: 2018-12-17  

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