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2018 年度 実績報告書

糸状菌の遺伝子組換えを革新的に変えるマルチコピー遺伝子導入法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K14887
研究機関神戸大学

研究代表者

若井 暁  神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命准教授 (50545225)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード麹菌 / マルチコピー導入 / ナノポアシーケンサ / MinION / タンデムリピート
研究実績の概要

麹菌Aspergillus oryzaeでは、分子ツールが潤沢でないため遺伝子工学的な改変に多くの制限と多大な時間と労力を要する。一方で、A. oryzaeでは、染色体上に非相同的に組み込むコトランスフォーメーションによりマルチコピーで遺伝子導入が可能であることが経験的に知られている。本研究では、コトランスフォーメーションにおける染色体上遺伝子導入部位偏重を解析し、新しいマルチ遺伝子破壊法や多種類遺伝子の同時導入法開発を目指した。
平成29年度までに、導入遺伝子数の異なる多数の遺伝子組み換え麹菌を作出しており、当初予定していた次世代シーケンサ(超並列型ショートリードシーケンス)からロングリード解析が可能なナノポアシーケンサを用いた解析手法の確立に成功していた。
平成30年度は、このナノポアシーケンサを用いた解析技術を種々の形質転換体のゲノム解析に適応することで、コトランスフォーメーションによってマルチコピー導入された外来遺伝子のゲノム中での構造を詳細に解析することとした。また、導入遺伝子の末端配列を変更することでコピー数の多型性を生じさせた株間のゲノム構造を比較した。
複数株のゲノム構造解析の結果、コトランスフォーメーションでのマルチコピー導入では、ゲノム上の様々な位置に散在して導入されると予想されていたが、その予想とは全く異なり、ゲノム上のある場所に集約的に導入されるロングタンデムリピート構造になることを世界で初めて発見した。ゲノム上に導入される場所は、固定されておらず、ゲノム上でも外来遺伝子が入りやすいホットスポットのような場所が存在する可能性を考えていたが、形質転換体ごとに導入遺伝子部位は染色体レベルで異なり、かつ集約的に導入されることを明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Modified expression of multi-cellulases in a filamentous fungus Aspergillus oryzae2019

    • 著者名/発表者名
      Wakai Satoshi、Nakashima Nanami、Ogino Chiaki、Tsutsumi Hiroko、Hata Yoji、Kondo Akihiko
    • 雑誌名

      Bioresource Technology

      巻: 276 ページ: 146~153

    • DOI

      10.1016/j.biortech.2018.12.117

    • 査読あり
  • [学会発表] Comparative genome analysis of genetically engineered Aspergillus oryzae strains by long-read sequencing using nanopore sequencer2019

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Wakai, Silai Zhang, Chiaki Ogino, Hiroko Tsutsumi, Yoji Hata, Akihiko Kondo
    • 学会等名
      10th International symposium of Innovative BioProduction Kobe
    • 国際学会
  • [学会発表] ナノポアシーケンサを用いた遺伝子組換え麹菌のゲノミクスおよびトランスクリプトミクス2019

    • 著者名/発表者名
      若井暁、張斯来、荻野千秋、堤浩子、秦洋二、近藤昭彦
    • 学会等名
      日本農芸化学会2019年度大会
  • [学会発表] 2)Tandem-repeat structure of integrated genes on the genomes of genetically engineered Aspergillus oryzae strains2019

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Wakai, Silai Zhang, Chiaki Ogino, Hiroko Tsutsumi, Yoji Hata, Akihiko Kondo
    • 学会等名
      ASM Microbe 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] ナノポアシーケンサを用いた遺伝子組換え麹菌ゲノム上の長鎖タンデムリピート構造の解析2018

    • 著者名/発表者名
      若井暁、荻野千秋、堤浩子、秦洋二、近藤昭彦
    • 学会等名
      日本生物工学会
  • [学会発表] 多彩なアウトプット能を示すAspergillus細胞工場2018

    • 著者名/発表者名
      若井暁
    • 学会等名
      第8回合成生物工学シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] マルチコピー遺伝子導入黄麹菌のゲノム構造解析2018

    • 著者名/発表者名
      若井暁、荻野千秋、堤浩子、秦洋二、近藤昭彦
    • 学会等名
      第18回糸状菌分子生物学コンファレンス

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公開日: 2019-12-27  

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