遺伝子工学技術の発展によって、開放環境での利用が想定された有用遺伝子組み換え微生物(GMM)が作製されている。今後これらを安全に実用化するためにはGMMの意図せぬ増殖を防止し安全性を高めるための技術が必要である。生物学的封じ込めの方法論として、特定の化合物に生育を依存させる手法がある。亜リン酸は環境中ではほぼ検出されないため、亜リン酸に完全に生育を依存させることが出来れば、封じ込めの原理として利用できる。大腸菌をモデルとして本原理の実証を試みた結果、亜リン酸依存性は、高い封じ込め効果と、経済性、シンプルさを兼ね備えた、実用的な手法として利用可能であることが明らかとなった。
|