研究課題
挑戦的萌芽研究
主に植物と微生物を対象として、炭素間三重結合を形成する酵素(アセチレナーゼ)と推測されるタンパク質のクローニング及び発現系や精製法の検討を試みた。その結果、18種類のタンパク質のクローニングに成功し、そのうち9種類については、純度の高いタンパク質を得ることが出来た。これら精製タンパク質を用いて結晶化を行ったが、構造解析に適した結晶はまだ得られていない。今後も、結晶化などの検討を続け、立体構造の解析や反応機構の解明を目指す。
構造生物学、生物有機化学
炭素間三重結合を有する天然有機化合物は反応性が高く、強力な抗菌活性を示すものも多い。しかし、この炭素間三重結合を形成する酵素(アセチレナーゼ)は数種類しか同定されておらず、反応機構についても全くわかっていない。今回の研究で、18種類のアセチレナーゼと推測されるあるいは関連するタンパク質のクローニングに成功した。継続して研究を続け、反応機構が原子レベルで解明出来れば、酵素の工業的利用、酵素の改変や微生物利用により、新しい抗菌剤などの生産が可能になると考えられる。