ミトコンドリアはTCA回路や電子伝達系によるエネルギー産生の場であると同時に、個体の寿命、加齢性難聴やサルコペニアなどの老化調節に関わる。本研究ではミトコンドリア代謝物の加齢変動を解析するとともに、寿命研究の代表的なモデル生物である線虫を用いて、加齢とともに低下する代謝物の摂食による寿命延長への影響を解析した。線虫からのミトコンドリア単離はマルチビーズショッカーと遠心分離によって確立した。一方、代謝物の加齢変動は超臨界抽出型LC-MS/MS分析による解析を検討した。最終的に既報のデータからプリンヌクレオチド代謝系に着目し、プリンヌクレオチド代謝物が線虫の寿命を延長する知見が得られた。
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