カイコを用いて発現した2価デングウイルス(DENV)様粒子を精製した後、マウスBALB/c 7週齢の筋肉にワクチン10~20 μgを接種し、2週目、4週目の計3回接種し、免役原性を確認した。その他、DENV血清型3のpremembrane (PrM)とエンベロープ(E)から成るDENVウイルス様粒子(DENV-LP)の作製に成功した。DENV-3 CPrM/E (3CPrM/E) 2.3 kbpおよびDENV-3 PrM/E (3PrM/E) 2.0 kbp cDNAをpFastbac1ベクターに導入し、BmNPV/3CPrM/Eと/3PrM/Eバクミドを作製した。両バクミドを昆虫細胞発現系とカイコ発現系でタンパク質の発現を試みたところ、両発現系で発現が確認された。カイコの場合脂肪体で発現され、3CPrM/Eと3PrM/Eの分子量はそれぞれ85 kDaと75 kDaであり、理論分子量と同等であった。PAタグアフィニティクロマトグラフィで部分精製を行ったタンパク質を抗PA抗体と抗PrM、抗Eポリクローナル抗体で結合を確認した。引き続き、ヘパリンの結合性も確認した。また、透過型電子顕微鏡の観察によりDENV-LP大きさや形状を確認したところ、直径25~40 nmの球形であり、本研究で作製したDENV-LPは、生物学的機能を有することが明らかになった。同様、血清型1と4もウイルス様粒子の発現の構築に成功した。
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