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2017 年度 実績報告書

カフェインは根圏シグナルとして機能するか?

研究課題

研究課題/領域番号 16K14901
研究機関京都大学

研究代表者

杉山 暁史  京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (20598601)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードカフェイン / 根圏微生物
研究実績の概要

植物は多様な代謝物を根から土壌中に放出し、その量は光合成産物の10~40%を占める。根から分泌される代謝物の中にはダイズのフラボノイドのように根圏での生物間コミュニケーションのシグナル分子として機能するものも多く知られている。ヒトにとって最も身近な植物二次代謝産物の一つであるカフェインは根圏へも分泌される。しかし、植物がなぜカフェインを根圏に分泌するのかについては明らかにされていない。私たちのグループでは、in vitroの実験によりカフェインがTricoderma属菌の抗菌効果を向上させることを明らかにし(Sugiyama et al. 2016 Plant Signal. Behav.)、カフェインが根圏での生物間相互作用を制御する可能性に着目した。本研究ではコーヒーノキから単離したカフェイン生合成系の遺伝子を導入し、カフェインを合成する形質転換トマトを作出した。形質転換トマトを用いて蓄積量と分泌量を解析するとともに、根圏微生物への影響を単離菌株を用いて解析した。単離菌株はコーヒーノキ根圏から得られた細菌である。本研究で得られた単離菌株にはカフェイン代謝活性を有するものは見いだされなかったが、コーヒーノキ病原菌に対して拮抗阻害を示す菌株が見いだされた。またコーヒーノキ幼植物体を用いてカフェイン分泌の解析を行うとともに、ゲノム解析と遺伝子発現解析によりカフェイン輸送体の候補遺伝子から、カフェイン輸送活性が示唆される遺伝子を複数見出した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 根圏微生物のダイズ持続的生産への活用2017

    • 著者名/発表者名
      杉山暁史
    • 雑誌名

      アグリバイオ

      巻: 9 ページ: 28-31

    • 査読あり
  • [学会発表] コーヒーノキ根圏の微生物叢解析及びカフェイン代謝菌の探索2018

    • 著者名/発表者名
      川上智、矢崎一史、杉山暁史
    • 学会等名
      日本農芸化学会2018年度大会
  • [学会発表] コーヒーノキにおけるPurine Permeaseの発現及びカフェイン取り込み輸送解析2018

    • 著者名/発表者名
      掛川博文、士反伸和、永山秀佳、荻田信二郎、矢崎一史、杉山暁史
    • 学会等名
      日本農芸化学会2018年度大会
  • [学会発表] 根圏に分泌される植物化学物質の動態と機能2017

    • 著者名/発表者名
      杉山暁史
    • 学会等名
      植物化学シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] Analysis of caffeine secretion from intact Coffea plants and the cell cultures2017

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Kakegawa, Tomo Kawakami, Nobukazu Shitan, Shuka Nagayama, Shinjiro Ogita, Kazufumi Yazaki and Akifumi Sugiyama
    • 学会等名
      The 7th International Symposium for Sustainable Humanosphere (ISSH)
    • 国際学会
  • [学会発表] コーヒーノキ根圈におけるカフェイン代謝菌の探索2017

    • 著者名/発表者名
      川上智、矢崎一史、杉山暁史
    • 学会等名
      植物微生物研究会第 27 回研究交流会
  • [学会発表] コーヒーノキ根圏へのカフェイン分泌と輸送体の探索2017

    • 著者名/発表者名
      掛川博文、士反伸和、永山秀佳、荻田信二郎、矢崎一史、杉山暁史
    • 学会等名
      植物微生物研究会第 27 回研究交流会
  • [学会発表] コーヒーノキからのカフェイン分泌と根圏での分解動態の解析2017

    • 著者名/発表者名
      川上智、永山秀佳、荻田信二郎、矢崎一史、杉山暁史
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2017年度大会

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公開日: 2018-12-17  

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