研究課題/領域番号 |
16K14905
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
栗原 新 石川県立大学, 生物資源環境学部, 寄附講座准教授 (20630966)
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研究分担者 |
加納 健司 京都大学, 農学研究科, 教授 (10152828)
川原 圭博 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (80401248)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ポリアミン / バイオセンサー / プトレッシン / 糞便 / 使い捨てセンサー / 比色定量法 |
研究実績の概要 |
ポリアミンは、1分子中にアミノ基を二つ以上含む脂肪族化合物であり、ほぼすべての生物に見出される生理活性アミンである。近年、ポリアミンを摂取することで、オートファジーの誘導、ヒストンのアセチル化の促進、血管および腸管における炎症抑制が起こり、これらの作用を通じて、動物の認知力が向上することや寿命が伸長することが報告されている。腸管内腔には腸内細菌由来のポリアミンが著量存在し、この濃度を適正に保つことが健康増進に重要であると考えられる。本研究では糞便中のポリアミン濃度を簡便に測定することを目的として酵素法を用いた使い捨てセンサーの開発を目指して研究を行った。 Rhodococcus erythropolisのプトレッシンオキシダーゼのプトレッシン酸化が直接電子移動型であることを発見し、この特性を利用してメディエーターを用いないアンペロメトリックバイオセンサーを作成した。このバイオセンサーのプトレッシンの検出限界は5 μMであり、17~500 μMの範囲で触媒電流との直線性を示した。この濃度は糞便中のプトレッシン濃度とほぼ同等であり、現在進行中の使い捨てセンサーへの応用が期待できる。 これと同時にプトレッシンオキシダーゼを用いたポリアミンの96穴プレート上での比色迅速測定系を構築した。R. erythropolis由来プトレッシンオキシダーゼとワサビ由来ペルオキシダーゼ、発色試薬であるTOPSと4-アミノアンチピリン (4-AA) を組み合わせ、以下に示すプトレッシン濃度依存的に起こる吸光度上昇を測定する簡易定量系の開発と条件検討を行ったところ、20~1,500 μMの範囲でプトレッシンと550 nmの吸光度との間で直線性が見られた。この新規比色定量法を用いることにより、食品中、糞便中、尿路感染症の原因菌であるProteus mirabilisの培養上清中のプトレッシン濃度を迅速に測定することが可能となった。
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