放線菌の二次代謝は、シグナル分子により誘導制御されている。本研究では、放線菌Streptomyces rocheiが有するブテノライド型シグナル分子SRBに注目し、菌群における構造多様性および生合成機構、さらには合成酵素と機能の相関性解明を目指し、以下の成果を得た。 (1) ランダムに選択した放線菌80株は SRB型分子を有さず、構造特異性が示唆された。(2) SRB生合成について、P450モノオキシゲナーゼSrrOはC-6'メチレン酸化反応に関与することを解明した。(3) SRB型分子の休眠二次代謝誘導能を解析したところ、SRB添加により代謝プロファイルが変化した放線菌の存在が認められた。
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