研究課題
中高年齢者の健康維持において課題となっているロコモティブシンドローム(ロコモ:運動器症候群)の予防に食品由来成分を活用することを目指す研究を実施した。ロコモは運動機能の低下によって発症し、加齢・骨量減少・筋萎縮・運動不足等を原因とする。尾部懸垂マウスを用い、経日的に、骨量は生体用3次元CTにより大腿骨を用いて同時測定した。懸垂後、1週後ならびに2週後、四肢の骨(大腿骨および脛骨)を採取してDEXAにより骨密度を測定すると共に、小動物用の3次元マイクロCTにより骨形態計測を実施した。本解析により尾部懸垂による運動機能変化を生体マウスで評価するロコモ評価法を確立した。カロテノイド系のキサントフィルの一種であるルテインは、培養系において骨吸収を抑制し、骨形成を促進することを明らかとした。そこで、ルテインを尾部懸垂マウスに経口投与したころ、尾部懸垂により低下した四肢の骨量がルテイン投与により改善することを見出した。従って、ルテインが骨組織に作用して、不動によって亢進する骨吸収を抑制、低下する骨形成を増大して、骨量減少を阻止する効果を発揮すると考えられる。茶カテキンについては、卵巣摘出による骨粗鬆症発症を軽減することが認められたが、同等の摂取量では、尾部懸垂の骨量低下に対しては明瞭な作用が認められず、更なる検討が必要である。ルテインはホウレン草に豊富に含まれることから食品から摂取してロコモ予防に活用する可能性も重要であるが、有効量を確実に摂取するにはサプリメント等による摂取法も検討する必要があると考察できる。
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