研究課題
(1)ODSラットにおけるビタミンC(VC)大量投与の末梢血核球(PBMC)の炎症性サイトカイン産生抑制作用の検証ODSラットにVC無添加飼料、最小要求量VC添加(200ppm)飼料あるいは大量VC添加(20,000ppm)飼料を8日間摂取させる3群を設けた。3群のラットの血液からPBMCを分離して培養し、培地へLPS添加(1μg/ml)して炎症性サイトカインであるTNF-αの倍地中の濃度上昇(TNF-α産生上昇)を経時的に測定した。VC無添加群およびVC200ppm添加群に比べて、大量VC添加飼料群では著明にTNF-α産生上昇が抑制された。この時、大量VC添加飼料群のPBMCではTNF-α mRNAレベルの上昇についても他の2群に比べて抑制されていた。このことは、ODSラット個体においてLPS投与時の血中TNF-α濃度の上昇を大量VC投与が抑制する機構の一つを示していると考えられた。(2)ODSラットから分離された末梢血核球(PBMC)におけるin vitroでのVC添加の炎症性サイトカイン産生抑制作用の検討VC無添加飼料を8日間与えたODSラットの血液からPBMCを分離して培養した。培地中に100、250あるいは500μMのVCを添加した後、LPS(1μg/ml)を添加した後の倍地中TNF-α濃度の上昇を追跡した。その結果、VC添加の濃度依存的にTNF-α濃度の上昇が抑制された。この結果は血中のVC濃度の上昇は、LPS投与時のPBMCのTNF-α産生を抑制することを示唆している。
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J.Nutr.Sci.Vitaminol.
巻: 64 ページ: 404-411