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2016 年度 実施状況報告書

食品カロテノイドの経口摂取による皮膚保護効果

研究課題

研究課題/領域番号 16K14926
研究機関京都大学

研究代表者

菅原 達也  京都大学, 農学研究科, 教授 (70378818)

研究分担者 真鍋 祐樹  京都大学, 農学研究科, 助教 (20730104)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードカロテノイド / 皮膚 / 光老化 / 緑藻
研究実績の概要

本研究では、経口摂取によって皮膚保護効果を示す食品成分として、食用海藻由来カロテノイドに着目し、その効果を解析することを目的とした。紫外線暴露による皮膚の光老化現象は皮膚バリア機能の低下やシワ形成に関与する。したがって、皮膚の機能や外観を維持するためには、光老化から皮膚を防御することが重要といえる。そこで本年度は、ヘアレスマウスにUVAを照射した光老化マウスに対する影響を調べた。緑藻ナガミルからシフォナキサンチンを約70%含む画分を調製し、精製飼料に添加して自由摂食させた。UVAを1日あたりの照射量が20 J/cm2となるようにマウスの上部より照射を行い、10週間飼育した。このときUVA照射は1週間に5回行った。試験期間の開始時から継時的に、エスカイン麻酔下で背部皮膚の非侵襲的測定(表皮水分蒸散量や角層水分量など)と背部皮膚レプリカによるシワ解析を行ったところ、8週目以降において、UVA照射による経皮水分蒸散量の増加とシワ形成が確認された。これらはシフォナキサンチンの摂取によって有意に抑制された。シフォナキサンチンを摂取したヘアレスマウスからは、シフォナキサンチンとその代謝物と推定されるものが検出された。以上の結果から、経口摂取されたシフォナキサンチンは皮膚にまで到達し、光老化を抑制することが示された。そのメカニズムとして、遺伝子発現変動の解析を進めており、少なくとも紫外線照射により上昇し、シワの形成に関わるマトリックスメタロプロテアーゼの発現が、シフォナキサンチン摂取によって低下することがわかった。培養細胞を用いた検討も進めており、ヒト真皮繊維芽細胞においても、UVAによるマトリックスメタロプロテアーゼ発現促進を抑制することが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画通り、光老化モデルマウスを用いた評価を行い、シフォナキサンチンによる効果が見出された。当初は翌年度に解析する予定であった皮膚の遺伝子発現変動の変化や皮膚におけるシフォナキサンチンの蓄積の評価について、すでに着手している。培養細胞を用いた評価も計画どおり行っており、一定の成果を得ている。本年度の予定をほぼクリアし、翌年度の計画もすでに実施していることから、計画以上に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

昨年度に引き続き、動物実験によって得られた試料や培養細胞を用いて、光老化に関わる因子の遺伝子発現変動を解析する。これらは当初の計画通りである。さらに、UVA照射の負荷をかけずに、通常の状態の皮膚に対する効果についてもさらなる検証を進める予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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