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2019 年度 実績報告書

ダイオードツリーによる樹冠の太陽光受光量の再評価と応用への基盤確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K14933
研究機関北海道大学

研究代表者

隅田 明洋  北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (50293551)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードダイオードツリー / 人工樹冠 / 光吸収 / 散乱光 / Lambert-Beerの法則
研究実績の概要

北大低温科学研究所の技術部職員により製作されたダイオードツリー(小型フォトダイオード(=小型ソーラーパネル)を葉に模して三次元的に空間中に配置した人工樹冠)の第1号器を用いた実験から、第1号器の測定システムでは、層間の鉛直方向の間隔の違いの光減衰に対する影響を十分に調べることができないこと、すなわち、層間の間隔が狭くなると本影・半影と呼ばれる効果によって光吸収量が変化する効果が表れないことがわかっていた。この原因のひとつとして、第1号器において設定した層間の鉛直方向の最小の間隔が本影・半影効果を再現するには広すぎることも考えられたが、設計上の理由から層間の鉛直方向の最小間隔をそれ以上狭くすることができていなかった。また、他の原因として、ツリーシステム全体からの表面反射が過度の散乱光条件を作り出したことなどが考えられた。最終年度はまず、新たに製作した光源に散乱反射を軽減させる修正を施して実験を行ったが結果は同じであり、光源に問題があるわけではないこともわかった。
群落内の光吸収様式を表すLambert-Beerの法則は理論的には葉からの光の反射がなくても成立可能であるが、ここまでの結果は、実際には下側の層の上面から上側の層の下面に向かう上向きの反射がこの法則の成立に重要であることを示唆している。そこで、散乱光の状態を把握するため、各層の上面だけでなく下面からの光強度もとらえられる新たなダイオードツリーシステムを設計し製作にとりかかった。第1号器よりも層の数を減らすかわりに層間の間隔を十分に狭くできる設計にすることで、散乱光の状態をとらえることを重視することとした。この新システムは第1号器と同様に北大低温研技術部職員に製作を依頼したが、製作に十分な時間が取れなかったため未完成のまま最終年度を終えた。しかし今後も製作を継続し、システム完成後に実験を行って成果を報告する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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