植物群落の葉群による光の総吸収量は、本影・半影と呼ばれる効果により、葉群が鉛直方向に広がるほど大きくなると予測できる。そこで、小型のフォトダイオード(太陽光パネル)を葉に摸した人工樹冠「ダイオードツリー」を製作し、葉群の鉛直方向の広がりの効果を層別の発電量によって調べた。その結果、予測とは全く逆の結果が得られた。しかし、ダイオードツリーの構造上の効果を補正すると、層の鉛直方向の広がりに無関係に層全体の光吸収量は一定となり、本影・半影の効果のない場合の理論と一致した。結果を総合すると、葉群による光吸収において、葉からの上向きの光の反射が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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