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2017 年度 実施状況報告書

齧歯類による虫害種子の選好性機構の実証:CTスキャンと揮発性成分分析を駆使して

研究課題

研究課題/領域番号 16K14940
研究機関名古屋大学

研究代表者

梶村 恒  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (10283425)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード野ネズミ / 種子食昆虫 / 選好性 / CTスキャン / 揮発性成分分析
研究実績の概要

愛知県、鹿児島県(屋久島)で選定した固定プロットで、齧歯類(野ネズミ)の生息状況や種子食昆虫の加害様式を継続調査した。
各プロットに金属製箱ワナ(シャーマントラップ)を仕掛けた。捕獲した野ネズミは、種(アカネズミ、ヒメネズミ、スミスネズミ)、性別、体重、繁殖サインなどを記録した後、指切り法によって個体識別して放逐した。野ネズミの密度、体重、繁殖時期などを、季節や各プロットの環境特性(樹種構成、下層植生、樹冠開放(ギャップ)の程度、傾斜、水系分布、標高)を考慮して吟味した。とくに、標高については、体重との関連性(高い標高ほど軽くなる)が見出された。また、下層植生については、ササ類の一斉開花・結実・枯死現象に着目し、野ネズミの個体群動態や生活様式に与える影響を検討した。
調査木の樹冠下に設置した種子トラップを定期的に巡回し、落下時期に種子を回収した。まず外観から、とくにゾウムシ類の微小な産卵痕の有無に注意して類別した。重さやサイズも計測した。種子を「“真の”健全」、「ゾウムシ類の加害」、「ガ類の加害」等に分類し、虫害種子については切開して内部状態を確認するとともに、幼虫の飼育を試み、羽化成虫を同定した。同様の調査を、林外の孤立木でも実施し、種子の落下消長・生産パターンや種子食昆虫の種構成・加害頻度の季節的変遷などについて、林内木の結果と比較考察した。
成果を学会やシンポジウムで発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定していた、①調査地の環境特性、②野ネズミの生息状況、③種子食昆虫の加害様式については、十分な成果を得た。
一方、③に合わせて実施する予定であったマイクロフォーカスX線CT装置による解析、④ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)による種子の揮発成分分析、⑤野ネズミへの種子の供試実験の再現性は、サンプルの採集状況や労力の関係から確かめられなかった。

今後の研究の推進方策

②野ネズミの生息状況、③種子食昆虫の加害様式・CTスキャン解析、④種子の揮発成分分析、⑤種子の供試実験などを再度試みるとともに、最終年度であるため、成果の取りまとめに注力する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
予定していた消耗品の一部が購入できなかったため。
(使用計画)
1万円弱の繰り越しであり、予定通りの使用計画で問題ないと思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 屋久島の亜熱帯から森林限界における野ネズミの垂直分布と生態適応2018

    • 著者名/発表者名
      肥後悠馬,三浦 光,梶村 恒
    • 学会等名
      第65回日本生態学会大会
  • [学会発表] 野ネズミの長期動態 と生態への影響2018

    • 著者名/発表者名
      福永宏紀,柏木晴香,肥後悠馬,梶村恒
    • 学会等名
      公開シンポジウム「120年ぶりの森の一大イベント 笹の一斉開花で森はどうなる?」
    • 招待講演
  • [学会発表] 森林の断片化がクリの堅果生産とその利用昆虫相に与える影響2017

    • 著者名/発表者名
      鶴岡建汰,神保宇嗣,梶村 恒
    • 学会等名
      2017年度生態学会中部地区大会

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公開日: 2018-12-17  

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