本研究の目的は、人工林および天然林において、表現型可塑性の高い品種や集団を探索し、気候変動に対する順化能力に関連する基礎生理・生化学データを取得することである。全国のブナを対象に調査を行った結果、北海道・東北などの北限域および野・新潟などの標高限界付近では、個体の表現型可塑性が高く、西日本の孤立集団では可塑性が低いことが明らかになった。可塑性の低い西日本のブナは、気候変動に対する順化能力が低い可能性があり、従来の予想よりも早く消滅する恐れがある。スギ精鋭樹クローンを比較した研究では、可塑性の高いクローンほど材積成長が良いという結果が得られた
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