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2018 年度 実績報告書

未発根カルス苗を用いたスギ挿し木再造林の超低コスト化への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 16K14945
研究機関宮崎大学

研究代表者

伊藤 哲  宮崎大学, 農学部, 教授 (00231150)

研究分担者 雉子谷 佳男  宮崎大学, 農学部, 教授 (10295199)
平田 令子  宮崎大学, 農学部, 講師 (50755890)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード低コスト再造林 / コンテナ苗 / さし木
研究実績の概要

(1)効率的なカルス苗育成方法の開発: 水耕・ミスト栽培で発根させた苗をコンテナに秋植栽した結果、根量が0.5g以下の苗でも植栽半年後にはすべて同等の根量まで発達することを確認した。【全期間の成果】①カルス形成が根の原基ではないこと、②カルスは発根を促進するホルモンの生成部位としての前駆的な役割を果たしている可能性が高いこと、および③水耕・ミスト栽培で発根させた苗もその後の育苗や植栽に十分に耐えられることが明らかとなった。
(2)適切なカルス形成状態とその判定手法の開発:夏期植栽後3か月で根量が1.345gに到達しない苗は生残が見込めないこと、およびコンテナ苗であれば半数が生存できることを明らかにした。さらに、植栽2年後のペーパーポット苗はコンテナ苗と同等以上の根および地上部成長が得られることを確認した。【全期間の成果】①根量の少ないカルス苗では夏季植栽の活着率が低いこと、②培地と根が一体化したコンテナ苗では同量の根量でも裸苗より活着率が高いこと、③期首根乾重が0.1g以上の苗では摘葉によって側枝重を抑えることで100%の活着率が得られること、および④ペーパーポットを活用することで、根系未発達の苗と培地とを一体化させ、根の充実したコンテナ苗と同等の活着が得られる可能性があること、が明らかとなった。
(3)植栽適用可能条件の解明: 初年度に行った潅水実験結果をもとに実験期間中のポット内土壌の含水率の変化を推定し、苗の枯死・生残を左右する土壌水分条件を数理モデルを用いて検索した。その結果、3週間遡った積算の含水率が苗の生死およびコンテナ苗と裸苗の違いを最もよく説明できることを明らかにした。【全期間の成果】3週間遡って積算した土壌含水率が、根量・培地の有無による苗の活着率を説明する要因であること、および根系未発達苗を活着させるうえでペーパーポット苗が有効である可能性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 異なる潅水条件下で夏季植栽したスギ挿し木コンテナ苗および裸苗の活着とその要因2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤 哲, 新保優美, 平田令子, 溝口拓朗
    • 雑誌名

      日本森林学会誌

      巻: 101 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ペーパーポットで育苗したスギ挿し木苗の林地植栽後の根系発達2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤哲, 古里和輝, 平田令子, 長倉良守
    • 学会等名
      第130回日本森林学会大会
  • [学会発表] スギ挿し木苗の根切りがコンテナ移植時の作業効率と根系発達に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      徳田楓, 伊藤哲, 平田令子, 長倉良守, 栗田学, 古里和輝
    • 学会等名
      第130回日本森林学会大会
  • [学会発表] 空中挿し木法を用いたスギコンテナ苗育成の試行2018

    • 著者名/発表者名
      古里和輝, 徳田楓, 伊藤哲, 平田令子, 栗田学, 長倉良守
    • 学会等名
      第74回九州森林学会大会
  • [図書] 低コスト再造林への挑戦 -一貫作業システム・コンテナ苗と下刈り省力化-2019

    • 著者名/発表者名
      中村松三, 伊藤哲, 山川博美, 平田令子
    • 総ページ数
      169
    • 出版者
      日本林業調査会

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公開日: 2019-12-27  

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