研究課題/領域番号 |
16K14949
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
丸山 毅 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (20353865)
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研究分担者 |
細井 佳久 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50353842)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 胚性万能細胞 / マツノザイセンチュウ抵抗性苗 / 不定胚形成 / クロマツ / 胚培養 / 体細胞分化 / 外気順化 / プロトプラスト培養 |
研究成果の概要 |
マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ3家系から14系統の胚性万能細胞を誘導し、胚分化能力の高い系統を選抜した。成熟不定胚の誘導率は、細胞系統によって著しく異なったが、誘導率の高かった上位5系統では、シャーレあたり180個以上の不定胚が形成された。得られた成熟不定胚を、10~20日間程度脱水処理させた後に発芽用培地で培養すると、68~93%程度の発芽率を示した。その後、発芽した不定胚のうち、約8~9割が植物体を形成した。インビトロ苗の外気環境への段階的な順化を行うことにより、90%以上の活着率が得られた。また、胚性万能細胞のプロトプラスト培養により、不定胚誘導が可能であることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
農学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マツノザイセンチュウによる松枯れ被害対策の一環として、抵抗性個体の大量増殖が望まれている。これまで、実生や挿し木による苗生産が主に行われているが、これらの方法では増殖に時間と手間がかかり、大規模植林への実用的な対応が難しいという問題がある。そこで、組織培養により、不定胚形成能力を持つ胚性万能細胞から苗の大量生産技術を開発することで、マツノザイセンチュウ抵抗性苗を安定的かつ効率的に作出するための条件を明らかにし、大きな問題となっている松枯れ被害の対策として、実用化に向けた基盤技術の開発に貢献できる。
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