海洋性浮遊珪藻に感染するウイルス様因子ChV83の解析を実施した。その結果、本因子は既知の珪藻ss(一本鎖)DNAウイルス(>30nm)ならびに、これまでに報告のない20nm程度のウイルス様粒子で構成されているものと推察された。各種解析から、小型ウイルス様粒子は、珪藻に感染する従来のssDNAウイルスに付随するサテライトウイルスである可能性が考えられた。またそれは、系統学的に珪藻ssDNAウイルスとは全く異なるグループに属していた。さらに別種のサテライト様ウイルスは、本邦海底泥中に通年にわたって感染可能な状態で存在している可能性が示唆された。今後、それらの生態学的役割を解明する必要がある。
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