研究課題/領域番号 |
16K14991
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
茂野 隆一 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60292512)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 農作業事故 / 労働災害 |
研究実績の概要 |
本研究は,農作業事故の発生確率および発生実態を明らかにすることによって,農業生産の特質を踏まえた公的補償制度の制度設計に向けての基礎的知見を提供することを目的としている. 本年度は、昨年度に構築した農作業事故データに関するデータベースを用いて、農作業事故の労働時間当たりの発生確率を推計し、その時系列的推移、他産業との比較分析を行った。時系列,産業間比較という観点から,農作業事故の発生確率を明らかにするという研究はこれまでにないため、農作業における労働災害対策に有益な情報となり得るものと考える。 また、農作業事故の発生実態の解明においては,関係諸機関,農業経営体においてヒヤリング調査を実施し,作業形態,経営作目,経験年数といった具体的な要因が,農作業事故の発生確率にどの様な影響をもたらしているかについて明らかにすることを目的としている。本年度は北陸地方における大規模稲作経営体に実態調査を実施した。それらの経営体においては、過去、重度な農作業事故を経験したことはなかったが、オペレーターの高齢化に伴って、コンバイン、トラクターなどの大型機械を用いた作業のリスクが高まっている状況を確認した。また、法人経営における農作業事故への対応策等についてヒヤリングを行い、農業生産の特質を踏まえた公的補償制度の制度設計に向けての基礎的知見を得た。上記の結果を取りまとめ、学会等、雑誌等に公表することを準備している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度実施できなかった現地実態調査を今年度実施したが、稲作経営体のみであり、やや調査事例が不足している。
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今後の研究の推進方策 |
やや進捗が遅れている経営体に対する実態調査を集約的に実施するとともに、関係諸機関に対するヒヤリングの補足調査を実施する.また、連携研究者を交え,プロジェクトチーム全体で,各課題の分析結果に関する意見交,検討を実施する.以上の分析で得られた成果を,学会,学会誌等において公表する.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた現地実態調査が実施できなかったため、次年度使用額が発生した。今年度は昨年度に計画していた現地実態調査も併せて実施する予定である。
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