主要な温室効果ガス(メタンと亜酸化窒素)発生の低減機能を強化することを目的とした汎用化水田による浸透試験を行った.その結果,積雪寒冷地での従来型の還元田の実測値と比べて,1/5から1/3程度の低い値が観測された.さらに地球温暖化係数(GWP)から算出した二酸化炭素相当量(当価量)を検討した結果,透水性の高い火山灰土壌(グライ黒ボク土)では,適度な浸透強度を常に有する水田構造ではなく,浸透水がほとんどない基盤構造を有し,中干しや間断灌漑時に迅速な灌水と落水が容易に常に可能な水田構造が,主要な温室効果ガス発生量(メタンと亜酸化窒素)の大きな低減と良好な水稲生育に必要であることがわかった.
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