研究課題
申請者は、セロトニンの末梢投与が高脂肪食摂取マウスの体重増加抑制(抗肥満作用)を誘導し、褐色脂肪組織で脂肪代謝活性を亢進することを世界で初めて発見した。本研究は、樹立に成功した褐色脂肪細胞株(MBP細胞)を用いて、エネルギー代謝で重要な脱共役タンパク質(UCP1)のセロトニンによる活性化機構を解明することを目的とする。セロトニン処理褐色脂肪細胞ではUCP1蛋白の著しい増加が誘導されるが、セロトニン合成酵素(THP1)発現は減少し、THP1KOマウスの褐色脂肪組織ではUCP1活性化が誘導されることより、セロトニンのUCP1活性化機構解明には、THP1活性減少によって作動する遺伝子群の特定が重要である。そこで、CRISPR-Cas9法を用いてTHP1ノックアウト褐色脂肪細胞株の樹立を試みた。CRISPR-Cas9法では、標的配列の3‘末端にあるPAM(NGG )配列の上流に存在する3塩基対においてDNA二本鎖の切断が予想される3箇所のターゲット配列を決定し、Neonを用いて1400v, 20width, 1pulseの条件でトランスフェクションし、無血清培地で48時間培養後に細胞を回収して切断効率を解析した。Target1およびTarget2を用いたトランスフェクションでは切断片は確認できなかったが、Target3では34.7%の切断が確認された。Target3をトランスフェクションした細胞を増殖させ、96穴プレートで限界希釈法によってクローニングを行い、単細胞培養が確認されたwellの細胞を96穴プレートの2枚にそれぞれの細胞のレプリカを作成した。7日間の培養後に片方の細胞を用いて、ゲノムDNAを抽出してGCD kitプライマーを用いてPCRを行い、DNAシークエンスを行ったところ、2株の切断部位が異なるTHP1ノックアウト褐色脂肪細胞株の樹立に世界で始めて成功した。
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