研究課題
【研究の目的】近年、プロバイオティクスの積極的利用による薬のみに頼らない家畜の健全育成とヒトの健康生活の飛躍的向上が期待されるようになった。最近になって、プロバイオティクスの中でも粘膜免疫調節機能を有する同種のイムノバイオティクスが、異なる生体防御機能を発揮する可能性に注目が集まり、その詳細解明と効果的な有効利用が切望されている。そこで、本研究では、ゲノムバイオインフォマティクスと免疫機能ゲノミクスの分野融合による「イムノバイオゲノミクス」を基盤として、イムノバオティクスの異なる粘膜免疫調節システムに関するゲノミクスベースの網羅的解析から、その機構解明を飛躍的に進めることを目的とする。【研究成果】本年度は「イムノバイオゲノミクス」の基盤を構築する目的から、以下の、項目について検討した。1.イムノバイオティクスの全ゲノム配列解析:イムノバオティクスとしての評価が進んだ菌株について; ゲノムDNAを抽出・精製し、全ゲノム塩基配列を解析した。 さらに、常法に従い、オープンリーディングフレーム(ORF)機能の推定を行なった。ドラフトゲノム情報は、論文として公表した。2.インビトロ解析条件の設定: 世界に先駆けて樹立に成功したブタ腸管上皮(PIE)細胞の単層培養を用い、イムノバイオティクスの免疫評価パラメータと刺激時間を設定すると共に、その評価解析を進めた。また、PIE細胞における遺伝子発現変動につて、トランスクリプトミクススにより網羅的な解析を進めることができ、免疫機能発現機構の詳細解明の基礎が得られた。
1: 当初の計画以上に進展している
「イムノバイオゲノミクス」の新たな研究基盤を構築するための基礎が期待以上に得られ、本研究をさらに推進することにより、イムノバオティクスの異なる粘膜免疫調節システムに関するゲノミクスベースの網羅的解析とその機構解明の飛躍的発展が大いに見込まれる。
イムノバオティクスの全ゲノム情報の取得をさらに進め、同種菌株における比較ゲノム解析からイムノジェニクスやイムノバイオティック機構の詳細機構解明を進めたい。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
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