研究実績の概要 |
本研究で成長ホルモンの遺伝子多型に基づいて、高品質・高価額な産肉性をもつ黒毛和種牛仔牛を選抜し、その生物機能を活性化する短鎖脂肪酸誘導体や受容体刺激因子を開発することによって仔牛生産性の向上を目指す技術を開発することである。したがって、短鎖脂肪酸の吸収で重要な役割をしているルーメン絨毛組織と培養上皮細胞において各種脂肪酸受容体(Free fatty acid receptor 1, 2, 3, 4)の遺伝子発現量を解析した。 1.離乳前区(n=5, 3週齢)および離乳後区(n=5, 15週齢)の去勢黒毛和種牛より採取したルーメン絨毛組織からRNAを抽出し、各種脂肪酸受容体遺伝子発現量を解析した。短鎖脂肪酸受容体であるFree fatty acid receptor 2と 3は離乳前後のルーメン絨毛上皮組織において差はなかった。長鎖脂肪酸の受容体であるFree fatty acid receptor 1は差はなく、free fatty acid receptor 4は離乳前と比較し、離乳後の絨毛組織において有意に高くなった。また、細胞内の脂肪酸結合タンパク室Fatty acid binding protein 4は離乳前と比較し、離乳後のルーメン絨毛組織において高い値を示した。 2.ルーメン上皮細胞を用いて短鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸の添加により各種脂肪酸受容体の遺伝子発現量を検討している。 これらの結果により、離乳後のルーメン絨毛組織の機能において短鎖脂肪酸の受容体の発現変動は関与してない可能性が示唆された。
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