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2017 年度 実績報告書

慢性腎不全と関連する猫モルビリウイルスの病原性発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K15039
研究機関京都大学

研究代表者

宮沢 孝幸  京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (80282705)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードネコモルビリウイルス / 慢性腎不全 / 自然免疫応答 / 欠陥干渉ウイルス粒子 / リバースジェネティックス / ネコ
研究実績の概要

2012年、中国でネコモルビリウイルス(FeMV)が報告されてから、猫の泌尿器疾患とパラミクソウイルス感染の関連が世界中で報告されている。猫は泌尿器疾患に罹患する割合が高く、飼い主への負担も大きい。猫の泌尿器疾患とウイルス感染の関係を明らかにし、予防策を講じることは重要である。本研究の目的は、FeMVの病原性発現機構を明らかにし、猫の泌尿器疾患予防・治療の基盤を構築することである。
FeMVはすでに世界中の猫に感染しているが、発見時(2012年)以前の感染状況は不明である。我々は中和試験法を用いて、1997-1998年のベトナムの猫の血漿から抗FeMV中和抗体の検出を試みた。その結果、79検体中4検体(5.1%)においてFeMVに対する中和抗体価が認められ、少なくとも1997年からこのウイルスが存在していたことが示された。
次いで、FeMVの持続感染機構の解明を試みた。まず2016年7月にウイルス分離を行った感染個体から、2017年8月に再度ウイルス分離を行った。分離したウイルスのL遺伝子の一部塩基配列を調べた結果99.5%の一致率を示したことから、同一のFeMVが持続感染していると考えられ、感染性のFeMVが猫に持続感染していることが明らかとなった。次に、持続感染のin vitroモデルとして、持続感染細胞を樹立した。この細胞内では免疫応答が起こっているにも関わらず、ウイルスは持続感染していた。またこの細胞中のウイルスNタンパク質は急性感染時とは異なる形態を示した。この持続感染細胞にGFP遺伝子をもつミニレプリコンをトランスフェクションしたところ緑色の蛍光が観察され、ヘルパーウイルスを用いたリバースジェネティクス系として有用であることがわかった。
さらに我々は、日本の猫にネコパラミクソウイルスが感染していることを見出し、ウイルスゲノム配列を解析、ゲノム構造を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Epidemiologic survey of the feline paramyxovirus infection in Japan.2018

    • 著者名/発表者名
      Shoichi Sakaguchi, Rie Koide, So Nakagawa, Takayuki Miyazawa, Tetsuya Mizutani
    • 学会等名
      12th China-Japan International Conference of Virology
  • [学会発表] ベトナムの猫におけるネコモルビリウイルスの遡及血清調査2017

    • 著者名/発表者名
      小出りえ、坂口翔一、桑原千恵子、酒井沙知、浅井健一、川上和夫、宮沢孝幸
    • 学会等名
      第160回日本獣医学会学術集会
  • [学会発表] コモルビリウイルス持続感染細胞の性状および免疫応答の解析2017

    • 著者名/発表者名
      坂口翔一、小出りえ、神道慶子、野田岳志、水谷哲也、宮沢孝幸
    • 学会等名
      第160回日本獣医学会学術集会
  • [学会発表] Persistent feline morbillivirus infection in CRFK cells.2017

    • 著者名/発表者名
      Sakaguchi, S., Koide, R., Shindo, K., Noda, T., Mizutani, T., Miyazawa, T.
    • 学会等名
      17th International Congress of Virology

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公開日: 2021-01-27  

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