研究課題
挑戦的萌芽研究
若齢肥育牛の地方病性牛白血病(Enzootic bovine leukosis: EBL)症例では、アポトーシス関連遺伝子BMP-6のプロモーター領域のメチル化が3歳以上の症例に比較して高頻度に生じていた。若齢肥育牛におけるEBL早期発症には肥育牛特有の飼養管理など、後天的な環境要因によるエピジェティックな変化の関与が考えられた。また、若齢EBLでは牛白血病ウイルスがプロモーター領域や転写活性領域へ組込まれる頻度が高く、組込み部位の相違も早期発症に関与すると思われた。
獣医内科学
若齢肥育牛の成牛型牛白血病発症に発がん関連遺伝子であるBMP-6のエピジェネティックな変化が明らかにされたことにより、飼養管理、とくに栄養学的観点からウイルス発がんを制御する手掛かりを見出すことが期待される。また、研究成果は畜産・獣医学において牛白血病の発症予防に資するだけではなく、医学領域における成人T細胞型白血病の動物モデルとして、発症メカニズムの解明および発症予防に貢献できる可能性が高い。