研究課題
本研究の目的は、我々が確立してきたシステムバイオロジーの研究手法を用いてモデル動物を解析することにより、腎肝クロストークにおける肝障害形成機序を明らかにして、それに基づく治療薬シーズを提案することである。目的達成のために計画している研究項目は、(1)システムバイオロジー手法による腎肝クロストーク発症経路と治療薬シーズの抽出、そしてそれに基づく(2)治療薬シーズの実証研究の2つである。最終的には、これらの結果に基づいて総合的に考察し、腎肝クロストーク障害の分子理解を進展させ、治療薬を提案する。平成29年度までに、2つの治療薬シーズ候補を発見し、抽出した治療薬シーズについて、過去の報告などを参考に、in vivoにおける実証研究が可能かどうかなどを考慮しながら、1つのシーズについて研究を進めた。その結果、治療薬シーズに治療効果を発見した。この発見に基づいて、平成30年度では、治療効果について、in vitroの系での確認実験を行った。腎肝クロストーク障害をin vitroの系で再現し、その系を用いて治療薬シーズの効果を確認したところ、腎肝クロストーク障害を抑制する可能性を見出した。以上から、我々が見出した治療薬シーズは、in vivoにおいて二次的に作用しているのではなく、直接作用していること、そしてこのシーズが治療薬として妥当である可能性などが考えられた。今後は、これまでの成果を取りまとめて発表する。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Biochemistry and Biophysics Reports
巻: 17 ページ: 169~176
10.1016/j.bbrep.2019.01.003
Physiological Reports
巻: 7 ページ: e14092~e14092
10.14814/phy2.14092