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2017 年度 実績報告書

日本に蔓延する非病原性とされてきた豚アメーバの病態発現機序の解明と診断技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15049
研究機関大阪府立大学

研究代表者

笹井 和美  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70211935)

研究分担者 谷 浩行  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00305658)
松林 誠  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00321076)
古家 優  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30500706)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードEntamoeba / アメーバ性大腸炎 / PCR / シークエンス解析 / サブタイプ
研究実績の概要

Entamoeba. histolytica(EH) は家畜においても、複数種のEntamoeba(E) 種が報告されているが、いずれも病原性はないと報告されている。しかし、近年、我が国で致死性の消化器症状を呈する豚において、その組織病理学的解析によりアメーバ様原虫の寄生が確認されている。しかし、人獣共通に寄生するEHによるPCRでは鑑定できず、その種は明らかにされなかった。申請者らは、これまでに難治性・致死性の下痢症を呈する豚から、E. suis およびE. polecki(EP) を同定することに成功している。本研究課題では、これら豚に寄生するE種の病態を詳細に明らかにすべく以下の解析を実した。昨年度は、特にEP について、PCRおよびシークエンス解析により、4つあるサブタイプの型別方法を構築した。本年度は、国内においてさらに調査を実施し、複数の県において、難治性下痢症を呈する豚において、EPサブタイプ1と3を検出した。また、糞便検体、水や土壌検体からのPCR によるE の検出に加え、病理組織解析によりアメーバ様原虫が検出された場合でも、パラフィン切片からDNAを抽出し、遺伝子型を同定する事も可能であることが分かった。これにより、アメーバのシストおよび栄養型においても、解析は可能であることが分かった。いずれの検体も、可能な範囲で細菌学的およびウイルス学的解析を行ったが、他の病原体の関与の可能性は低く、その誘発因子は不明であるが、豚に寄生するEntamoeba は病原性を有することが示された。これまでの結果から、国内には、3種 (サブタイプ)のEが存在し、EPがより広く分布している可能性が示唆された。また、EH で用いられる培地を用いて、豚のE感染便から豚Eの培養を試みたが、成功しなかった。今後は培地成分や培養条件等の検討が必要と考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Development of molecular diagnostic protocols for detecting three types of Entamoeba from diarrheal and asymptomatic pigs and environmental moist soils.2017

    • 著者名/発表者名
      Hirashima Y, Manchanayake T, Yano T, Kitahara S, Koreeda T, Kamimura S, Sasai K, Matsubayashi M, Shibahara T.
    • 雑誌名

      Parasitol Res

      巻: 116(7) ページ: 2001-2007

    • DOI

      10.1007/s00436-017-5483-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Report of fatal mixed infection with Cryptosporidium parvum and Giardia intestinalis in neonatal calves.2017

    • 著者名/発表者名
      Matsuura Y, Matsubayashi M, Nukata S, Shibahara T, Ayukawa O, Kondo Y, Matsuo T, Uni S, Furuya M, Tani H, Tsuji N, Sasai K.
    • 雑誌名

      Acta Parasitol

      巻: 62(1) ページ: 214-220

    • DOI

      10.1515/ap-2017-0026. 28030344.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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