肝障害はマラリアにおける代表的な症状であるが、その発症メカニズムは不明な点が多い。MRP14はミエロイド細胞に豊富に発現している蛋白質であり、様々な炎症性疾患との関わりが報告されている。そこで、本研究ではMRP14がマラリア肝障害に与える影響について明らかにするために、原虫感染マウスに対して組換えMRP14の投与を行った。結果、投与群では肝臓へのMRP14陽性細胞の浸潤が増強され、肝臓の壊死、それに伴う血中肝酵素の上昇が見られた。以上より、マラリアにおいてMRP14陽性細胞の浸潤にともなうMRP14の分泌が炎症反応の亢進による肝障害の悪化に寄与していることが明らかとなった。
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