ほ乳類細胞の遺伝情報にはウイルス由来の転移因子群が紛れ込んでおり、これらの制御は個体の生存に必須である。本研究では、マウスの系を用いて、インターロイキンと呼ばれる液性因子のひとつであるIL17Dがその制御を行えることを発見した。さらに、IL17Dが作用する細胞膜受容体と下流シグナル伝達因子と標的遺伝子を同定し、胚を構成する細胞の一部が過剰な転移因子の活性化を起こしてしまった場合には、並行したアポトーシス経路が働くことで、細胞を除去し、胚の品質を一定に保つような経路が備わっていることを明らかにした。
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