全ての生物は細胞から出来ている。細胞は主に蛋白質、脂質、糖および遺伝子から構成されている。最近の分子生物学の飛躍的な発展により、DNA・RNAと蛋白質についての知見は急速に増加している。しかしながら、生体膜を構成する主成分である膜脂質(脂質二重層)に関しては有力な解析技術が少ないために、まだまだ未知の点が多く残されている。私たちは脂質を観る新たな技術(QF-FRL法)を開発し、電子顕微鏡を用いて生体膜における微細構造レベルでの膜脂質の分布解析を可能にした。QF-FRL法を用いることにより、ホスファチジルイノシトール4リン酸が物質代謝に重要なオートファジーで重要な役割を担うことを明らかにした。
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